タグSoundtracksの最新エントリhttps://www.ableton.com/ja/blog/tags/genres/soundtracks/タグSoundtracksの最新エントリjaFri, 15 Dec 2023 15:58:02 +0000Made in Ableton Live: Zan Lyonshttps://www.ableton.com/ja/blog/made-in-ableton-live-zan-lyons/Fri, 15 Dec 2023 15:58:02 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/made-in-ableton-live-zan-lyons/アーティストチュートリアルビデオShida Shahabi:映画音楽作曲家の多方面での活躍https://www.ableton.com/ja/blog/shida-shahabi-the-multi-disciplinary-path-of-a-film-composer/Fri, 17 Jun 2022 13:22:39 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/shida-shahabi-the-multi-disciplinary-path-of-a-film-composer/アーティスト映画音楽/予告編の効果音:インパクトのある音色の作り方https://www.ableton.com/ja/blog/learn-how-to-make-high-impact-sounds-for-movies-and-trailers/Wed, 27 Oct 2021 14:04:36 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/learn-how-to-make-high-impact-sounds-for-movies-and-trailers/チュートリアルオカモトタカシ:独創性を損なわない制作時短術https://www.ableton.com/ja/blog/takashi-okamoto-workflow-tips-speed-and-creativity/音楽を制作していて、「もっと早く楽曲を仕上げられるようになれたらなぁ」と思ったことのある人は数多くいるんじゃないでしょうか? 締め切りのある依頼を受けたときはもちろん、自分のペースで制作していいときでも、楽曲を完成させられないままダラダラと作業を続けるのは得策だとは言えません。複数の楽曲を同時にこなさなければならない状況では、効率だけでなく、曲ごとに意識を切り替えることも求められます。では、実際の制作現場ではどのようにしてスピーディーに音楽が生まれているのでしょうか? 「プロジェクトテンプレートを使わず、オリジナリティを出しつつ作業を効率化するためにラックを使っています」と語るのは、Abletonの認定トレーナーであり、ゲームのサウンドクリエイターとして活躍するオカモトタカシです。関西のゲームベンチャー企業でサウンドクリエイターのキャリアをスタートした2004年以来、音楽制作に限らず、ゲームの商品企画を担当してクリエイティブ面以外の営業的視点も培ってきた彼は、身をもって効率的な作業の重要性を理解してきました。その経験と知識を活かし、2009年に12sound名義で独立してから現在にいたるまで、『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』、『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』、『オバケイドロ』、『Cytus II』など、数々の話題作の音楽を担当。オーケストラによる優雅な調べ、鋭い音色が突き刺さるエレクトロニックミュージック、映画を思わせる抒情的なアンビエント、遊び心のある効果音など、ありとあらゆる音楽スタイルに対応できるオールラウンドクリエイターとして、ゲームの世界観を魅力的に演出しています。 ときに短い納期の案件に対応し、ときにおびただしい数の制作依頼をこなしながら、第一線で活動するサウンドクリエイターがスタジオでどのように作業しているのか非常に気になるところ。そこで今回のインタビューでは、楽曲を作り始めてから完成させるまでの流れ、独創性と効率のバランスをとるためのラック活用術、アイデアが枯渇しないように行っている音楽の聞き方など、さまざまなトピックについてZoom越しに語ってもらいました。音作りの効率化に役立つラックも作成してくれているので、インタビュー内で使い方をチェックしつつ、ラックに詰まったプロの創意工夫を実際に体験してみましょう! オカモトタカシの作成したラックを無料でダウンロードする* ※収録されたラックを完全に使用するには、Live 11 Suiteか無償体験版が必要になります。 ※収録されたデモ曲を完全に再生するには、PackのMadder BeatzとGuitars and Bassが必要になります。 ゲームサウンドクリエイターの過去と現在 会社にいたときと独立したあとでは、制作の進め方に変化はありましたか? 会社勤めや独立しているからという理由ではなく、時代の流れで制作が変わりました。僕が業界に入った2004年ころは、メインストリームの家庭用ゲーム機でいうとPS2とNintendo DSの時期ですね。スペック的にもメモリー的にも、あまり潤沢ではない環境だったので、ゲーム機自体に簡易な音源が搭載されているんですよ。あるゲーム機だとサウンドメモリ2MBで同時発音数48ボイスのサンプラーが積まれていて、そこでサンプリングされた波形を鍵盤に並べて、ピアノの音とかを作っていました。AKAIのサンプラーでパッチを作るような感じですね。で、それをMIDIで鳴らすっていう作業になります。なので、開発実機が目の前にあって、コンバートするツールみたいなものもあって、専用機材が必要なのと簡単なスクリプト的知識が求められるので、会社勤めで音を作る人が必要だったんですよ。僕が独立する2009年は、主流はPS3やWiiになっていて、ミックスダウンしてマスタリングした音源がそのまま流すことができたんですね。そうすると、音楽制作者を社内で抱える必要ないよねって時代になってくるんですよ。そういう意味で音楽制作が変わりました。 Takashi OKAMOTO feat.Tsukasa Shiraki “Cityscape”。ヒットを記録した音楽ゲーム『Cytus II』に提供された。 ところが揺り戻しが起こっていて、ここ2~3年は、実際にゲームエンジンを触って音が鳴るように組み込みをしてくれっていう仕事が少しずつ出てきているんですよ。それまではWAVファイルを提出すればOKだったんですが、今はゲームの開発環境をこちらでも構築して、ここに川が流れている、ここに滝がある、ここで火が燃えているっていう場面があると、そこから音が聞こえるように僕が自ら配置するっていう作業をしています。世界的に見ても、そういうことがサウンドクリエイターに求められる時代になってきています。 では現在だと、音楽制作の依頼が来て納品するまでの流れはどのようになるんでしょうか? 通常だと最初にExcelでこういう音楽を40曲だとかグロスで欲しいっていう依頼がドンッてきて、どこで使う曲なのか、曲の長さ、参考曲のYouTubeのリンクが、そこに書かれています。そして、まずメインテーマから作ってくれって言われることが多いので、メインテーマから順に作っていき、ミックスダウンやマスタリングもやってWAVファイルを納品するという流れです。その段階では、登場キャラクターの絵とか、世界観の説明っていうのは最低限あることがほとんどなんですけど、ゲームの画面で動く状態になっていないことが多いですね。どういう曲にするかについては、僕の場合だと、ディスカッションをしてつめていくことが多いです。かっこいい男の子が剣を持っているRPGだとしたら、その舞台はすごく昔の設定なのか未来的なのかっていう話を最初にするんですよ。「メカみたいなものは出てきます? それとも純粋に剣と魔法の世界ですか?」とか。剣と魔法の世界だったら、オーケストラやアコースティック楽器で作りましょうって提案します。メカが出てきたり、未来が絡むストーリーだったりする場合は、ドラムとかベースとかエレキギターを使ってもいいですよねって話になるんですよ。それが毎回正解だとは思っていないですけど、剣と魔法の世界に4つ打ちでシンセをバキバキに使う曲だと、プレイヤーはポカンとなると思いますし、逆に近未来な世界観で古臭い音が鳴っているとダメだろうとか、そういうことは考えますね。 オカモトタカシが制作した楽曲のLiveセット。トラック1には、クライアントから提供された参考曲が入っている。作業時間短縮のためトラックの色分けはされておらず、代わりに、画面上側にはパーカッションのトラックを配置し、下側になるほど、装飾音系のトラックが配置される。 独創性を損なわない効率的な音楽制作 依頼から納品まで、だいたい何日くらいかかりますか? ものにもよるんですが、強いて言えば1日1曲ですね。でも実際には、3~4曲を並行して作業するので、クライアントには「4日ください」って言っています。それは、自分ひとりで打ち込みだけの場合ですけどね。ギターや歌を入れるとなると、別の話になります。あと、僕の作業工程では、ミックスダウンの工程をわざわざ設けていません。打ち込む段階で音を作って、どんどん音を重ねていくので、あとでバランスを見直すことはあまりないです。アレンジとミックスを同時進行でやっています。作業を効率化するために、日々、そういうことを考えていますね。 複数の曲を同時に作業するとき、意識の切り替えはどのようにしていますか? 意識の切り替えは訓練でどうにかなる気がします。音楽に限らず、仕事をしていて電話がかかってきて集中力が切れちゃうことってあるじゃないですか。フリーランスをやっていると、SlackとかFacebookメッセンジャーとか、いろんなかたちで仕事の依頼がやってくるんですが、即レスするほど、仕事の成約率が上がるんですよ。返信が遅くなると、そのあいだに別の人へ話が行くかもしれないじゃないですか。なので、フリーランスでやっていくにあたって、メールやチャットの返信は何よりも優先しようって自分で決めたんです。そうなってくると、音楽制作の最中に誰に何を邪魔されようが、一瞬で制作に戻ってこられるように集中力のコントロールが次第にできるようになってきました。会社勤めのときは、そんなこと全然できなかったですよ。「今、来るな。ちょっと待ってろ」くらいの感じでやっていたのが、フリーランスだとさっき言ったように早く返信したいので、そういうところから自然と意識の切り替えができるようになって、複数の曲を作業していても大丈夫になっていったんだと思います。 オカモトタカシのスタジオ。ここで日々、数々の楽曲が生み出されている。 あと、並行して作業しているので、ひとつの曲で行き詰まったら、別の曲をやって、そっちで行き詰まったら、また別の曲をやってということができるんですね。そうやって系統の違う曲に取り掛かることで、自分をリフレッシュするというか、気分転換になっていますね。そういうふうにしていると、別の曲で行き詰まっていた部分の解決策を思いつくことが結構あります。 作業の効率化を追求するにあたってラックを活用していると認定トレーナーの紹介文に書かれていますが、どのようにInstrument RackやAudio Effect Rackを使っているのか教えてもらえますか? LiveでMIDIトラックを新規作成すると、Utility、EQ Eight、Compressor、Utilityの4つを入れたAudio Effect Rackが立ち上がるように設定しています。最初のUtilityでは、入力のゲインを整えます。そのあとEQ EightとCompressorで処理して、最後のUtilityでバランスと左右のイメージングを設定します。必要に応じて、ここへリバーブやディレイを追加していきます。それと、Pedal、Amp、Cabinetのプリセットをいくつか用意しておいて、よく使っています。その例が、今回提供したラックの“Pedal_Amp_Cab_Heavy”、“Pedal_Amp_Cab_Rock”、“Pedal_Amp_Cab_Lead”ですね。この手のギター系のエフェクトでは音量を変えると音色も激しく変わるので、いい感じの歪みが得られるようにゲインを調整したものをプリセットとして保存しておいて、それを基にして音作りをスタートしています。そうやって作ったのがデモ曲の“Pedal_Amp_Cab”です。あとブラウザーのコレクションを楽器の種類で分類して、欲しいものをすぐに見つけられるようにしていますね。 MIDIトラックを新規作成したときのデバイスビュー。Utility、EQ Eight、Compressor、Utilityの4基のエフェクトを入れたAudio Effect Rackが自動的に読み込まれるようになっている。…Fri, 12 Mar 2021 10:21:01 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/takashi-okamoto-workflow-tips-speed-and-creativity/アーティストダウンロードCinematic Percussion: 大画面、そしてその先へhttps://www.ableton.com/ja/blog/cinematic-percussion/ProjectSAMを絶賛しているのは、大ヒット映画の作曲家だけではありません。このオーケストラ・サンプル・ライブラリのデベロッパーは、非常に幅広いジャンルにわたってファンを獲得しています。ウータン・クランのRZA、UKダブステップのJoker、プロデューサー/ソングライターのRyan Tedder(アデル、ジェニファー・ロペス、ティンバランドに楽曲を提供している)などは、これまでのリリースに称賛の声を上げているアーティストのごく一部。サンプルによるオーケストラ構成の標準を打ち立てたツールです。 これまでにリリースされた2つのオーケストラLive Packに続き、ProjectSAMはCinematic Percussionをリリースしました。高い評価を受けているTrue StrikeおよびSymphobiaシリーズから最良のオーケストラ/ワールド・パーカッション楽器を厳選。これまで未リリースだったトレーラー・ヒット、テンション・ビルダー、ブームなどを加えてコレクションを拡張しています。マルチサンプルのオーケストラ・パーカッションとその他のパーカッションのオーセンティックなコレクションで、映画音楽やサウンドトラックで使用したり、シネマティックなパワーをあらゆるプロダクション・スタイルに付加したりできるプロ仕様のツールとサウンドを提供します。 下のSoundcloudクリップをチェックするか、Packページに進み詳細をご覧ください。Wed, 11 May 2016 09:54:40 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/cinematic-percussion/ニュースAudioverdrive: Liveでリアルタイム・ゲーミングhttps://www.ableton.com/ja/blog/audioverdrive-game/デベロッパーでありミュージシャンでもあるNils Iver Holtarのゲーム経験は、80年代後半のファミコン作品をはじめ、印象的なサウンドトラックで彩られています。修士論文を書くにあたって、Nilは、iPadアプリ「Audioverdrive」のアイデアを得ました。Ableton Liveと双方向で通信し、ゲーム内のアクションによりサウンドトラックをリアルタイムで作成する、宇宙が舞台のシューティング・ゲームです。Abletonは、Nilsにゲーム・コンセプトと今後について話を聞きました。まずは、「Audioverdrive」のゲームプレイを紹介したデモをご覧ください。 「Audioverdrive」を論文の題材にすることになったきっかけは? 修士論文につながるプロジェクトの多くは、ゲームにおける従来と異なる手法でのオーディオと音楽の使用と実装に集中していました。論文では、これらの実装をより即時的で作曲のワークフローに合わせたものにする方法を模索したいと考えました。 「Audioverdrive」におけるゲームと音楽の通信についてご説明いただけますか? 実は非常にシンプルなんです。すべての通信にはOSCメッセージが使用されています。必要なのは、マッピング・ソフトウェアを実行するコンピューターとLiveがAudioverdriveを実行するiPadと同一のネットワークにあることだけです。マッピング・ソフトウェアがMIDIのデスティネーションとなり、Liveがこのソフトウェアに直接MIDIを出力します。デモ・マッピングで私がやっていたのは、ノートオンMIDIメッセージをさまざまなゲーム内のイベントにマッピングすることでした。使用しなかったパラメーターもたくさんありました(プレイヤーX/Y座標など)が、これはできることがたくさんあって手に負えなくなったからです。 ゲームにおけるあなたの経歴について教えてください。また、音楽における経歴は? 初期に作成したゲームはQBasicでプログラムしていました。変なゲームばかりでした。特に記憶に残っているのは、コンピューターが異様に強い、少ない装備でUFOを防御するゲームです。その後RPG Makerを数年使用してから、一般的なプログラミング言語を学びました。実はまだひとつも完成させたことがないんです。リリースできればいいなと思っています。 音楽制作はプログラミングに並ぶ私の情熱の対象です。これまで、ステージ・ショー、短編映画、独立作品など、さまざまなプロジェクトに参加してきました。ほとんどはノルウェーでの活動です。シンセ・ロック・バンドUltra Sheriffでパフォーマンスと作曲もしていて、この活動を通じてLiveに出会いました。 現在は、フリーランス・プログラマーとしての仕事とうまくバランスを取るよう努力している最中です。今手がけているプロジェクトのひとつが、Preliminal Gamesから近日リリース予定のモバイル・ゲーム「Fractured Skyline」のサウンドトラックです。もうひとつは、Logic Artistsのスパイ・スリラー「Clandestine」のサウンド・デザインとオーディオ実装です。 Nilsのサウンド・デザインが使用されている「Clandestine」予告版 Liveユーザー向けのAudioverdriveのリリースの予定は? このセットアップで作業する楽しさを知ってしまったからには、もっとたくさんの人々に試してもらうチャンスを提供しないわけにはいきません。Liveユーザーには才能豊かな面々が多いので、最高のオーディオ・ゲーム・デザインが生まれると思います。今は、最良の方法について検討しているところです。現在のセットアップでは、iPadとOS Xコンピューターが必要です。マッピング・ソフトウェアのユーザー・エクスペリエンスをさらに洗練させてこのままリリースしてみることもできますが、それだと現在のゲームとパラメーターしか操作できません。マッピング・ソフトウェアは実際のところかなり包括的なものになっていて、理論上では、OSCメッセージを正しく解釈し送信できるゲームであればどんなものにも適用可能です。ですので、どのようなゲームにも統合可能でき、可能性を広げるAPIをリリースするのも一策かなと思います。このようなツールを使って皆がどのようなことをするのか、ユーザーがどのプラットフォームを好むのか、非常に興味があります。 今後のバージョンのAudioverdriveのコンセプト画像 スタンドアロン・バージョンのAudioverdriveのリリースの予定は? ビデオで紹介したゲームのことでしょうか?はい、ただ名前は変わるかもしれません。まだマッピング設定のプロトタイプの作成中なのですが、数々のレベルやボス戦を含む、非常に楽しめるゲーム・デザインになると思います。しっかりとした形になったら、スタンドアロン・バージョンとしてパッケージ化するつもりです。今のところこのゲームはサイドプロジェクトなので、どのくらい時間がかかるのかははっきりと言えませんが。Thu, 05 Jun 2014 11:46:39 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/audioverdrive-game/アーティストTim Shiel、進化するゲームのサウンドトラック制作について語るhttps://www.ableton.com/ja/blog/tim-shiel-soundtracking-evolving-game/ソロ・アーティストとして、またGotyeのメンバーとして活躍するTim Shielは、新しいアイデアやチャレンジを取り入れることをいとわないミュージシャンです。難易度が変化するiOSのパズルゲーム「Duet」のサウンドトラック制作を依頼されたTimは、ゲーム内容にマッチするスコアをデザインしました。長いLiveセットとして作成された「Duet」サウンドトラックについて、自身が受けた影響について、サウンドの源についてTimに話を聞きました。 このゲームのサウンドトラックは、ゲームの進行やプレイのクオリティに応じて動的に変化していますが、これはどのようにして実現したのですか? このゲームの核をなすシステムは非常にシンプルで、ビジュアルも極めてミニマルなスタイルです。ゲームが進行するに連れて難易度が上がることを除けば、ステージを進めるごとに変化する要素はあまりありません。とても病みつきになるゲームでトランス状態を引き起こすほどですが、ストーリー性はそれほど強くないので、そこをカバーする音楽を作成するというアイデアはどうかな、と思いました。全体としてのまとまりがありながら、特定の場面や感情、集中力、緊張感、解放感とシンクロする、ストーリーを感じさせるものにしたいと考えたんです。より動的でノンリニアなアプローチ(音楽がプレイ要素に反応する仕組み)を採ることも検討したのですが、最終的にはより一般的なリニアなスコアになりました。しかし、流れや動きの要素が十分に含まれているので、プログラミング・レベルではそのような仕様になっていなくても、まるで音楽が指の動きに直接反応しているかのように感じられるようになっています。 サウンドトラック制作開始に際するメーカーからの指示はどのようなものでしたか? (Duet開発元である)Kumobiusのスタッフは、僕に信頼を置いてくれて、好きなようにさせてくれました。これにはとても感謝しています。唯一の参考基準として提供されたのがAphex Twinの「Xtal」で、ここからイメージをふくらませていきました。基準点を示してくれたことで、彼らが求めているものが、エレクトロニックでありながらオーガニックで、音楽的でありながらテクスチュアルなものだと理解することができました。ゲームのビジュアル要素が非常にミニマルなので、ゲームにおける音楽の役割は、シーンの明暗、コントラスト、表現力をもたらすという意味においてより大きなものとなることを、Kumobiusのスタッフは感じていたのだと思います。 Tim Shielによる「Duet」サウンドトラック用Liveセット サウンドトラックは1つの大きなLiveセットとして作成されたとのことですが、このような手法を採った理由は? スコア全体に一貫して同じサウンド・パレットを使用したかったのと、全体を通して繰り返すモチーフや要素があったからです。音源数を最小限にとどめ、暴走しないようにするためにも、1つのLiveセット内でスコア全体を作曲するのは面白い方法かも、と思ったのです。よく言われることですが、ワークフローに制約を設けることで、よりクリエイティブになり、より興味深い結果を得られることがあります。可能性が無限で制約がなさ過ぎるように思えるデジタル・オーディオではまさにその通りです。またこの手法を採ることでより注意深くなり、いくつかの要素をつなぎ合わせたものではなく、スコアを全体として確認するようになりました。あるサンプルのテクスチャに変化を加えれば、同じトラックを使用している他のトラックのミックスにも影響を与えます。ということは、私がアレンジメントで加える変更に反応してスコア全体がコンスタントに変化しているのです。結果として、非常にまとまりのあるスコアとなったと思います。どの場面も「Duet」らしい出来になり、満足しています。 サウンドトラックに使用されたサウンドの作成についてお聞かせください。 Phon.0のBlack Boulderドラム・ラックは重要なスターティング・ポイントとなりました。このドラム・ラックの別バージョン(独自のサウンドを加えたもの)が、サウンドトラックのメイン・キットとなりました。エレクトロニック・ドラム・サウンドと自然な聞こえの木製打楽器と室内音のミックスには、人工的なサウンドとオーガニックなサウンドの調和が重要になると思います。シンセ・サウンドとノイズや即興のドローン・エフェクトにはTeenage EngineeringのOP-1も多用しました。それと、ドラマチックな場面を強調するのにSonicCoutureのeBow Guitarも使用しました。eBow Guitarはアンビエントでテクスチュアルなサウンドの作成に特に最適ですが、私はこれを少し奔放でワイルドな感じにして、月に向かって吠えているようなサウンドにしました。バーチャルのeBow Guitarと、Gotyeのバンド仲間のBen Edgarが弾くスチール・ギターが、面白い相互作用を生んだ瞬間がいくつかありました。 実は私が気に入っているサウンドはゲームの効果音なんです。落ちてくるレンガとぶつかると聞こえる巻き戻しサウンドです。この衝突音と巻き戻し音は、OP-1のバーチャル・テープ・マシンで作成したものです。OP-1には独自のテープ・エフェクトがあるんです。OP-1の巻き戻し音は一日中聞いていても苦にならないのですが、この特徴的なサウンドがぴったりな場面を見つけることができました。 Duetについてさらに詳しく Tim ShielによるDuet OST GotyeとTimの制作についてウェブサイトの特集記事を読むThu, 05 Dec 2013 14:25:08 +0000https://www.ableton.com/ja/blog/tim-shiel-soundtracking-evolving-game/アーティスト